不妊症の原因は男性!?実は多い「男性不妊」

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妊娠はたとえ二人が強く望んでも、どちらか一人だけの努力では難しいことです。
「男性不妊」とは文字通り「女性不妊」と同等の問題です。

男性の妊娠能力の低下は流産、早期破水、胎児疾患、胎児死亡と深く関係し、不妊治療後の妊娠にも強く関わっています。
母体となる女性としては、もし妊娠中や出産後になにかあった場合、どうしても自分ばかりを責めてしまいますよね。

でもそうじゃないんです。
赤ちゃんができて、お腹の中ですくすく育ち、そして無事に生まれてくるまでの最初から最後まで、男性の能力はしっかり関わっているんです。

デリケートで複雑。それでも向き合ってほしい「男性不妊」


なんというか「不妊」と聞いて、女性ばかりをイメージしてしまう世間の認知度が一番の障害なんじゃないかと私は思います。
不妊に悩み、一度でも病院にいったことのある女性であれば、きっと男性不妊についての知識を持っているはずです。
ですが、それをなかなか言い出せない女性がほとんどではないでしょうか?

女性側は「男性としてのプライドを傷つけてしまったらどうしよう・・・」と思いますし、また言われた側の男性も、男性としての能力に問題があることを素直に聞き入れることは難しいと言われています。

今や「妊活」という言葉がすっかり定着し、女性が「子供が欲しい!」と願えば、男性は女性の不妊治療を支えてくれます。
それでも実際なかな向き合ってもらえないのが男性自身の「男性不妊」という問題です。

本当の意味でお互いに手を取り合って、そして一緒に前に進むには、一体何をどうしたらいいんでしょう?

不妊治療は男女揃って一緒にはじめましょう


不妊とは、健康な男女が定期的に避妊をせずに性行為をして、2年以上妊娠しない場合を言います。
妊娠についてはほとんどの場合、男性より女性の方が多くの知識を持っていますので、あれ?と気づくのって多分女性の方が先ですよね。
そしてほとんどの方が、女性である自分の体に何か問題があるのではないかと考えたり、また男性に原因がある可能性があったとしても、どう話しを切り出せば良いか分からず・・・。
とりあえず女性一人で婦人科を受診されるケースがほとんどかと思います。

妊娠から始まって赤ちゃんが無事に生まれてこれるかどうかは、男女共に二人の両方の能力にかかっています。
ですから、「不妊治療を考えはじめる」というところから、男性にも一緒にはじめてもらいましょう。
男性としても、最初にお医者さんに話を聞きに行くところから一緒にスタートすれば、そもそも妊娠がどういうものなのか?
また、不妊がどういうものかもきちんと理解できますので「置いてきぼりからくる無関心」という問題を避けることができます。

不妊治療になかなか踏み切れない男性の本音


ちなみに不妊治療を考えるにあたって、一応気に留めておいたほうがいいかな?というのが、男性の本音です。
男性自身の本当の気持ちとしては、「女性の気持ちは分かる。
すごく分かる。
でも正直産婦人科はすごく行きづらいし、それにそこまでして子供は・・・」というのが本音です。

産婦人科に行かなければならない高すぎるハードルと、子供が生まれて初めて父性が目覚めるシステムを持つ男性が、不妊治療に協力することはある意味あなたへの大きな愛情がなせる技なんです。
もし、なかなか治療に踏み切ってくれなかったとしても、男性は妊娠出産についての知識が乏しい部分もありますし、こういった話は女性以上にかなり緊張するものであることを忘れないであげてくださいね。

大切なのは「二人で一緒に」です。


女性だけが「まわりは次々に子供を授かっているのにどうして私は・・・」なんていう風に、人と比べて焦ることは二人の関係をギクシャクさせてしまうだけです。
なかなか踏み切れない男性には、当人の抱える不安を話してもらい、正直な気持ちを聞かせてもらい、その時の男性を決して責めないであげてください。

男性不妊の検査ってなにをするの?

血液検査
二人でお医者さんの話を聞き、よく話し合い、「不妊治療を考えようか」となったら、男性はこんな検査を受けることになります。

まずクリニックで行うのは、「基本精子検査」という精液量、精子濃度、運動率、正常形態率に問題がないかを調べるもの。

そして「男性不妊一般検査」という問診、血液検査、尿検査、視診・触診・エコー検査などで、精液以外の観点から男性不妊の要因があるかどうかも調べます。

検査については男性不妊専門のクリニックもありますので、二人でよく話し合って自分たちが安心して通えるところを選びましょう。

検査の結果、とくに問題がなかった時の治療


検査を受けて病気や先天的な問題が特に見つからなければ、生活習慣・食事指導・運動指導といった健康状態をより改善するための指導を受けます。

・精子は熱に弱いため、ブリーフやボクサーパンツなど蒸れる下着はNG。
・長風呂、サウナなど高熱で睾丸を体温以上に温めることはNG。
・精子は長く溜めず、できるだけ頻繁に射精し、健康な精子を作る。
・精子数や運動率を向上させる亜鉛やマカなどの栄養素を摂取する。
・不妊治療は男女が一緒に行うことが、何よりも大切。

だいたいこんな感じのアドバイスを受けるわけですが、検査の結果がある程度健康だと「お医者さんが言ってたことはなんとなく知ってるし自己流でどうにかする!」と言う男性が実際のところ多く、しかしそれが女性を追い詰めてしまうことになるわけです。

なので、せっかく検査に踏み切ってくれたなら、腕を引っ張ってでも毎回お医者さんの指導を一緒にちゃんと聞きに行きましょう。
女性の治療がどんなに大変であるかもきちんと説明してくれますし、何より直接生活指導をしてもらえるのはとても助かります。
女性がいくら口を酸っぱくしても気遣っても、男性って不摂生しちゃいますからね。

何かしら問題があった時の治療

1.精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)

あまり聞いたことのない疾患名ですが、なんと男性不妊患者に約4割も見られるという、男性不妊の原因の代表的なもので、エコー検査で分かるんだそうです。

  • 睾丸(精巣)周辺の血液がスムーズに流れることができず、睾丸の温度が上昇して精子の状態が悪くなる。
  • 目で見える症状として、陰のう表面にこぶ(瘤)状に静脈がみえることがあり、通常左側にみられることが多い。
  • 多くの場合が無自覚で、程度が重くなってはじめて陰のう部に不快感や痛みが発生する。

主な治療法は、軽度であれば漢方薬とサプリメントが処方されます。
症状によりツムラ25番 桂枝茯苓丸もしくは、ツムラ61 桃核承気湯、これに加えてコエンザイムQ10などのサプリメントを服用します。
もし重度だったという場合は、手術になります。
そけい部(足の付け根)を小切開し、精巣に近い方の静脈を縛る方法など、日帰りから2〜3日、長くても一週間程度の入院になり、保険が適用される手術方法もあります。

2.無精子症

無精子症にもちゃんと治療があります。

まず無精子症には2つのパターンがあり、精子は作られているけれど精子の通り道に問題がある「閉塞性無精子症」と、精巣そのものに精子を作る機能がないか機能が低下している「非閉塞性無精子症」とがあります。

  • 無精子症の85%は、精巣そのものに精子を作る機能がないか機能が低下している「非閉塞性無精子症」。
  • そのほとんどが原因不明。染色体異常が原因の場合もある。
  • 手術用顕微鏡を使って、30~40%程度の割合で精子を採取することができる。
  • 精子は作られているけれど精子の通り道に問題がある「閉塞性無精子症」はほぼ確実に精子を採取できる。

生きることに関しては問題ないものの、女性と同じように男性にとってもこの症状は受け入れがたいものです。

ですが、きちんと検査をして(検査費用は平均5万円)、適切な対処をすればどちらの症状も可能性は十分にあります。

3.勃起障害(ED)・射精障害

今や、男性不妊の3割以上の原因を占めるといわれている勃起障害・射精障害。
どちらも原因としては、身体的に問題の無い「心因性」と、身体に問題がある「器質性」があり、また両方の混合性という場合もあります。

  • 「心因性」はストレスの多い30代、40代に多く見られる。
  • 「器質性」は動脈硬化や神経障害、内分泌機能や陰茎に問題が生じやすい50代に多く見られる。
  • 日本でのED患者は1100万人以上と言われていて、決して特殊な病気ではない。
  • 主な治療法はカウンセリング、必要があれば薬で治療。女性側の深い理解も必要。

女性って割とオープンなところがありますよね。
「生理つら〜い」とか「メンタルが不安定だと子宮にも影響するんだよ〜」とか、パートナーの男性にポロっと言ったことのある方って結構いると思います。

それに比べて、男性が「メンタルが不安定だと息子が〜」なんて言いますでしょうか?
男性としては言えない、知られたくない。
男のプライドそのものが関わる症状です。
女性と同じく、男性もメンタルによってこういった症状が発症してしまうわけで、症状を乗り越えるには、女性の深い理解が何より必要です。

一度の検査だけでは男性不妊の判断がつきにくいことも


精子は日常で起こるちょっとしたことで一時的に弱くなってしまう場合がよくあります。
言い換えると、男性不妊の原因がちょっとしたことの積み重ねだった!ということも大いにありえるんです。

  • 風邪、インフルエンザなどで発熱した時。
  • 採血、抜歯、吹き出物の化膿など感染症のある時。
  • 亜鉛、ビタミンC、B群の栄養不足。
  • 煙草の吸いすぎ、二日酔い、精神安定剤の服用時。
  • 高血圧、胃潰瘍の薬の服用時。
  • ストレス、睡眠不足が続いた時。
  • 出張を含めた長距離旅行の後。
  • 男性不妊検査への緊張、不安。

仕事が忙しい男性ですと、常に毎日どれかしら当てはまっている状態の方って結構いるのではないでしょうか?

男性不妊治療をするにあたり、健康に良いものを食べてもらって、運動してもらって、ちゃんと薬を飲んでもらって・・・と女性はいろんなことをしてもらうわけですが、「仕事で男性がいかにボロボロになってしまっているか」という点にちゃんと気づいてあげましょうね。

不妊治療はふたりで、一緒に。


女性としては今すぐ不妊治療を始めないと、年齢的に厳しいの!と焦ってしまうのは当然のことですが、男性だってそれは同じです。
あなたとの将来のために、これから生まれてくる子供のためにを考えて、今一生懸命働いておかなければならない時期だったりするわけです。
「男性不妊」について男性に知ってもらうことは、男性自身が自分の健康と仕事のバランスを見直す良い機会にもなります。
不妊治療は確かに大変で、つらくて、長い道のりになることだってあります。
だからこそ、二人で一緒に、始めましょう。

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著者:まつもとなみ

著者の記事一覧

1984年生まれ。
神奈川県の田舎町にてリラクゼーション&エステ「Holistic Spa LUCIA」を経営。
楽しむことを一番に、ゆったりマイペースにやってます。
また「食」への深い興味から薬膳コーディネーターを取得。
日々学び、感じたことを生かして女性のキレイを応援し続けたいと思っています。







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