私たちが何気なく毎日浴びている太陽光は、1千万年もの時を経て太陽から地球に届いたものだといわれています。
このように聞くと、宇宙の神秘を感じ素敵ですが・・・
近年の研究で、肌老化の8割は光老化によるものだということが分かり、日焼け止めを通年欠かさず使用しているという方も多いと思います。
また夏になると日焼け止めをしっかりと塗っているのに顔が真っ赤になってしまうというお悩みを運営しているブログにお寄せいただくことがあり、私も同じく真っ赤になってしまうタイプなので、この原因について調べ続けていました。
その結果、太陽光の1つ近赤外線が、関係していることがわかりました。
近赤外線
太陽光線は、地上に届くものを大きく分けて、紫外線・可視光線・赤外線に分けられます。
雑誌などでもよく見かけるようになった、近赤外線は、赤外線の1種です。
赤外線は、太陽光線の中で、なんと50%あまりを占めているとされ、紫外線は10%、人の目で見える光の可視光線は、40%ほどだと言われています。
この数字を見るだけでも、紫外線対策だけでは不十分であることを感じていただけると思います。
紫外線の肌への悪影響は、シミ・そばかす・たるみを引き起こすなどですが、近赤外線の肌への悪影響は、光線過敏症・発汗・赤ら顔・発熱・光老化(シワ・たるみ)と多岐にわたります。
ですが、この近赤外線も決して悪い側面だけではありません。
照射をコントロールすることで、美肌効果があることからサロンなどで用いられ、また近赤外線による熱を使って温めることで、血のめぐりを良くするなど使い方次第でよくも悪くもなるものなのです。
近赤外線による肌への影響
近赤外線と聞くと特別なもののように感じるかもしれませんが、フライパンを使ってお肉を焼くイメージをしてみてください。
熱伝導率のよいフライパンを使うとお肉の中まで早くしっかりと火が通りますよね。
原理としては、この状態と同じだと考えるとよいでしょう。
無防備に近赤外線を浴び続けることで肌の内部にジワジワと影響が広がり、筋肉まで達します。
近赤外線のよい側面もお伝えしましたが、太陽から降り注ぐ近赤外線の照射量をコントロールするのは不可能なので、そのまま無防備に強い近赤外線を浴び続けることで肌ダメージになるのです。
近赤外線を浴び続けることによる老化現象として筋肉が衰え縮んでしまうと言われています。
筋肉の衰えは、肌のたるみにも影響することから肌老化を加速させるとということが明確ですよね。
近赤外線研究-日本における近赤外線研究-
私が、近赤外線について詳しく知りたいと調べていた2012年。
近赤外線研究について検索して多くヒットしたのは、医学博士田中洋平先生の記事。
パソコンのモニターから、またコタツなどの電化製品から大量の近赤外線が放射されているという田中先生の記事はとても衝撃的でした。
また田中先生は、身近な近赤外線について発表するだけでなく、いち早く近赤外線を防ぐ、水コロイドやHIKARIへリックスという成分を誕生させました。
水コロイドとHIKARIへリックスは、外側のオイル成分が近赤外線を散乱させ、内側の成分で近赤外線を吸収するというもの。
近赤外線カット商品として製品化もされています。
また化粧品メーカーでは、POLAを筆頭に、様々な会社から熱ダメージ対策の日焼け止めが発売されています。
韓国の近赤外線研究
韓国で、近赤外線対応商品をいち早く発売したのは、コリアナ化粧品でした。
老舗のコスメブランドでもあり、その歴史を知ることができる展示施設『コリアナ化粧品博物館』は、観光スポットとして人気です。
このコリアナ化粧品は、2010年に近赤外線カット製品を発売したことでも話題になり、韓国初のIRF(Infrared radiation Reflectance Factor)という指標を導入し数値として目に見える形で示したのも画期的でした。
IRF35という表示の製品が発売されており、この意味は、近赤外線を35%カットできるという意味だそう。
また韓国の資生堂と言われるトップ企業アモーレパシフィック系ブランド雪花秀(ソルファス)も、
明確に近赤外線対応商品とはしていないものの、熱カット機能性として素扇保(ソソンボ)クリーム
という商品を発売。
熱から皮膚を保護する割合を示す指標としてTPF指数(Thermal Protection Factor)を導入。
赤外線による外部熱損傷から肌を保護するとして大きな話題となりました。
アモーレパシフィックと並ぶ大企業LG生活健康系ブランドOHUI(オフィ)からは、皮膚の熱老化を緩和する近赤外線カット成分配合の手を汚さずに塗ることができるスポンジと一体化した日焼け止めが発売されています。
日韓でも、表示方法などに違いがあり、こうして比較してみると面白いですよね。
近赤外線カット機能性アイテム
医学博士の田中洋平先生監修のもと作られた製品です。
主な美容成分は、コエンザイムQ10(ユビキノン)、ビタミンンC誘導体、
ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド2、セラミド3、セラミド6II、ATP(アデノシン三リン酸)
などを配合。
光老化のもとから肌を守り、角質層まで潤いを与えることで
ハリのある肌に整えるSPF25 PA++のメイクアップベースです。
敏感肌の方には刺激になる紫外線吸収剤やアルコール、着色料
鉱物油を配合していない低刺激処方。
SPF50・PA++++の高い紫外線カット機能性だけでなく、近赤外線もカット。
ジェルとクリームのいいとこどりなハイブリッドプロテクト処方ならではの
心地よい使用感で、美容雑誌に数多く掲載されている逸品です。
45gで、11880円(2016年06月現在価格)とお高めですが、使用感がよく一度使用すると
手放せなくなることで、リピーターが続出!
顔使用で約3ヶ月、顔・デコルテ使用で約2ヶ月分なので、顔とデコルテ限定として
使用している方が多いそうです。
資生堂の美の総合ブランド ベネフィークより発売された
紫外線A波・B波、(SPF50 ・ PA++++)太陽光による熱からも肌を保護する日焼け止め。
ファンデーションののりを良くする下地としても優秀。
のびがとてもよく、ベタツキの少ない使用感が特徴です。
(IRとは、赤外線(InfraRed)を示しています。)
サボリーノ朝マスクなど、楽してキレイをサポートする商品を発売している
BCL カンパニーの商品です。
熱ストレスを受けることで、発現する傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質
ヒートショッププロテインを産生し促進する効果があるといわれているエクトイン配合の
日焼け止め。
近赤外線も熱であることから、熱損傷を受けた肌を保護するというもの。
ジェル状でたっぷり大容量。低価格なので顔だけでなくボディにもたっぷり使えるところが
魅力ですね。
美容液ファンデでお馴染みのマキアレイベルの製品です。
丁寧にスキンケアをしても日中、近赤外線ダメージを受けることで
シワやたるみを加速させていることに着目して作られた肌を保護するための
デイマスク。
マスクといえば、保湿スキンケアの印象が強いのですが、日中に肌を守るという
発想のアイテム。
SPF33・PA+++で、紫外線からも肌を守ります。
美容液オイルで有名なcoyoriからは、紫外線・近赤外線・酸化した皮脂
による肌ダメージに着目して作られた日焼け止めが発売されています。
SPF50/PA++。
べたつかずサラッとした使用感。そして癒しのラベンダーの香りが特徴。
シュッとスプレーするだけ手を汚すことなく紫外線カット・近赤外線カットでき、
白浮きせずサラサラ肌に整えます。
髪にも使用可能。汗水に強いふんわり優しい香りのするアイテム。
X線造影剤 として用いられている硫酸Baと被覆力に優れた白色顔料
酸化チタンを配合することで、近赤外線をブロックするUVパウダーです。
(硫酸Baは、白色度が高く柔らかい感触)
近赤外線だけでなくPM2.5、ブルーライト、花粉からも肌を守ってくれるので
持っているとオールシーズン心強い多機能性アイテム。
韓国コスメ
韓国ではじめて近赤外線カット機能化粧品を発売したコリアナ化粧品系ブランド
セニテのカバー力の高いパクト。
振動器付きなので、ムラなくキレイに塗布できる製品です。
平子理沙さんや梨花さん愛用品として日本でも有名になったアモーレパシフィック系列の
漢方韓国コスメブランド雪花秀(ソルファス)。
スキンケアに加え、カバー力の高いクッションファンデも人気です。
このクッションファンデーションの下地としてもオススメしたい太陽熱からも肌を保護する
製品です。
LG健康系コスメブランドOHUI(オフィ)の製品です。
幹細胞コスメが、人気の商品ですが、クッションファンデやパウダーなども
キャビンアテンダントさん愛用品として多く知られています。
こちらは肌温度を下げる機能と近赤外線をカットする機能性。
色付きなので、メイクアップ機能もあります。
キャップに鏡が付いているので、メイクなおしの際はこのキャップを
見ながら塗ることができる機能性の高いパッケージにも注目です!
おわりに
近赤外線コラムはいかがでしたでしょうか?
今年は、紫外線だけでなく熱による肌損傷にも着目して、
一歩進んだ老化対策をしましょう。