増えていくソーシャル疲れ
少し前から『LINEi疲れ』『Twitter疲れ』なんて言葉をよく耳にするようになりました。
ニュースに取り上げられたりもしているくらいですから、SNSによって心身共に弱ってしまっている人が増えているんですね。
mixiやTwitter、Facebook、LINEなどによって引き起こされる疲れ=ソーシャル疲れ。
楽しんでやっているのに疲れちゃうなんて!
自分には無関係な疲れだわ!
疲れるならばやらなきゃいいのに!
このように思う人がたくさんいるかと思いますが、このソーシャル疲れ、なかなか厄介で、自分でも知らぬ間にソーシャル疲れを感じてしまっていて、気付いた時にはもう…ということが多いようです。
この疲れは、普通の疲れとは違い、早めに対処しないと日常生活に支障をきたしてしまう恐ろしい疲れです。
最悪の場合うつ病になってしまうことも!?
ソーシャル疲れとは?
ソーシャル疲れとは、mixiやFacebookなど、ソーシャルサービスにおけるコミュニケーション疲れのことです。
SNSの楽しみと言えば、人と繋がれることですよね。
懐かしい同級生と繋がったり、同じ趣味の人と繋がったり、出会いがあったりなんてことも。
日記を書いてアップロードした時、友人知人からコメントや足跡など、何らかの反応があると、嬉しい、楽しい、と感じますよね。
『今日のお弁当♪』と手作りのお弁当の写真をアップロードしたところ、マイミクやフォロワ―といった友人知人から「わぁ!美味しそう!」「料理上手だね!」なんてコメントがきたとします。
すると、なんだか周囲から認めてもらえた、褒めてもらえたという快感が生まれ、もっと認められたい!もっと自分に興味を持ってもらいたい!という欲求がわいてきます。
知らず知らずに、ネットの中が自分の居場所の中心となり、その居場所をキープする為に必死になってきます。
「今までは投稿したら“いいね”や“コメント”がすぐついていたのに…。」
なかなか反応を得られなかったりすると、見放された、蔑にされた、という気分に陥るようになり、「いいね」や「コメント」を減らさない為には…、もっともっと反応を増やすためには…、と頭の中は常にSNSのことでいっぱい。
ここまでくるともはや中毒状態です。
リアルな生活が忙しくてネットに繋ぐ時間がとれなかったり、日記が更新できなかったりということはよくある当たり前の事であるにも関わらず、少しでもネットの中の自分の居場所から離れる事が不安で堪りません。
日常生活に支障をきたしてでも、日記を更新したり、皆の興味を引くために嘘の話題を更新したりする人も居ます。
また、日本人はとくに、自分に「いいね」や「コメント」をつけてくれた人には、同じようにお返しをしなければという心理が働きます。
もし「いいね」をお返ししなかったら、「嫌な奴だと思われてしまう…。」
仕事やプライベートでの人間関係のストレスに加え、ネット上でも人間関係に悩まされている訳です。
このように、気の休まることのない毎日にだんだんと精神が削られていくんですね。
周囲が幸せそうに見えて仕方がない…(涙)
ソーシャル疲れの中にFacebookうつというものもあります。
“うつ”だなんて大袈裟な!と感じるかもしれませんが、このFacebookうつ、自覚が無くとも、改めて指摘されると結構身に覚えがあるかも…という人が多いはずです。
SNSは友人知人が日記を更新したりつぶやいたりするたびに、その投稿が自分のマイページ・タイムラインなど必ず目にする場所に表示されます。
見たくなくても、見えてしまうんですよね。
友人知人の「〇〇と遊んできたよ!」「▲▲へ旅行に行ってきました!」というキラキラと楽しそうな日記を見ていると、なんだか自分だけツマラナイ毎日を送っている…みんなが羨ましい…自分は不幸だ。
このような劣等感を感じてモヤモヤした気分に陥ってしまうのが、Facebookうつ。
人生には楽しいこともあれば辛いこともあります。
幸せだって人それぞれであり、他人から見て幸せに見える事も、本人にしてみればどうということでもなかったり、その逆もあります。
フェイスブックで楽しく充実した日記を更新している人だって、平日は仕事が辛いかもしれないですし、家族と上手くいっていない悩みを密かに抱えているかもしれません。
でも、自ら不幸を知人に晒すような人はあまり居ないですよね。
楽しいことだけを日記にしているわけなのです。
わかってはいるものの…しかしどうして、日記のキラキラした毎日がその人の全てに見えてきてしまう、不思議ですね。
SNS疲れあるある セルフチェック!
ありがちなSNSの不満、悩み、疲れを挙げてみました。
これらの軽い精神的ストレスが、最悪の場合うつにまで発展してしまうこともあるだなんて、溜ったもんじゃありませんね。
「あるある~。」と頷いてしまった人は、手遅れになる前にSNSとの付き合い方を考えてみた方が良いかもしれません。
・元カレが新しい彼女とのラブラブ日記を更新していて辛い。
自分にまだ新しい恋人が見つかっていない時に、元彼に新しい恋人ができてしまうとなんだか悲しくなりますよね。
別れた直後なら尚更、失恋で傷心の時にまさに傷口に塩…(涙)
立ち直れるものもできなくなってしまいますね。
・同級生が結婚していた、羨ましい…!
女の幸せ=結婚!?
これはとくに30代によく見られる現象で、子供の写真などがアップされているのを見て、なんて幸せそうなんだろうと、勝ち組と負け組という立場を味わったかのような感覚になってしまうようです。
・職場の人にプライベートが筒抜けで辛い。
とくにFacebookは本名での登録が基本です。
仕事場の人とプライベートの友人と全てごちゃ混ぜになっているという人も少なくないはず。
こうなると仕事場の人にプライベートが筒抜け。
このストレスが蓄積されると、監視をされているような気分に陥ってしまったりもします。
・収入の差を見せつけられて辛い。
女子に多い、買い物・おでかけ日記にうんざりパターンです。
誰だってオシャレをしてショッピングや旅行に出掛けたいもの。
しかし、普通の稼ぎで全ての欲求を満たすのは無理です。
華やかな日記の裏側では必死に節約しているかもしれませんし、そうでないならばその子は一般より少し裕福な極一部の人間なのでしょう。
都会に住んでいるか、田舎に住んでいるかでも生活は変わってくるものですしね。
・嫌いな人・苦手な人からフレンド申請が来た。
これも結構困りますよね。
嫌々申請を許可したものの、今まで楽しかったSNSがつまらなく感じてしまったり、断りたいけれど、断ったら気まずくなるという不安、また自分が申請をしたのに拒否されてしまった時も辛いものがあります。
・フォロワーの数を毎日チェックし、減っていると凹む。
これはツイッターのストレスですね。
何故か漠然と、フォロワーの数が多い方が友達が多いという認識がされがち。
中高生など若ければ若いほどこの傾向は強いかもしれません。
自分をフォローしている人が一人減ると、「自分は外された」と凹んでしまう。
フォローが外れた原因は自分のツイートが面白くないからだ、くだらないと思われたんだと思ってしまいがちですが、そうとは限りません。
重く考えないようにしましょう!
・友人に、自分も写っている写真を無断でアップロードされた。
これもSNSトラブルあるあるです。
共通の友達で繋がっていたり、またフレンド以外の日記も簡単に閲覧できてしまうのがSNSの怖い所。
自分が情報を公開しなくとも、どこで漏らされるかわかりません。
ズル休みして遊びに行ったことが、知人が更新した日記の写真から職場に発覚!なんてことが本当に起こっています。
あなたも自分以外の友人が写っている写真を勝手にアップしないように注意してくださいね。
「載せても良い?」と許可を得てからにしましょう。
・日記更新のための食費が半端ない!
先にも挙げましたが、手料理や手作りお弁当の写真を公開している人ってたくさんいますよね。
始まりは「料理上手だね!」という褒め言葉。
次はもっと凝ったお弁当を作らなければ!と睡眠時間を削ってまで翌日のお弁当を作っているなんていう人も。
食費がかさんで仕方がないけれど、今更更新を辞めるのも気まずい!
料理に限らず、大して楽しいと感じているわけでもないことを、見栄や更新の為だけに無理無理がんばっているという人がたくさんいるようです。
・本当に書きたいことが書けない。
フレンドが増えるにつれて本当に書きたいことが書けなくなってくるという人は結構多いようですね。
こんなこと書いたら不快に思う人がいるかもしれない…などとネット上でも第三者の目が気になって、せっかく書いた記事をすぐ削除してしまったり、最終的に日記を更新するのが怖くなってしまうようです。
・自分の日記にコメントがいっぱい!でも返事を書くのが億劫…。
自分の更新に反応があるのはとても嬉しいですよね。
しかし、この反応ひとつひとつにお返事を書く作業ってなかなか大変だったりします。
お返事を返さなくちゃ返さなくちゃ…と思いつつどんどん時間が経ってしまって気まずい…。
これが積り積もってかなりのストレスになるようです。
確かに個々にお返事が出来たら一番ですが、無理なようならば、まとめてお礼を書くだけで悪い印象はありません。
「いつもコメントありがとうございます!ひとつひとつお返事がなかなか出来ませんが、頂いたコメントは全て読んでます。とっても嬉しいです!」
これでOKです。
・嘘の日記を書いて自己嫌悪。
みんなが明るい日記を次々と更新しているのに、自分は楽しいことが何もない。
これじゃツマラナイ人生を送っていると思われてしまう。
そんな不安から、嘘の日記やつぶやきをしてしまうというもの。
『ダイエット中。今朝は〇〇㎏痩せてた!』『〇〇で買い物中!欲しかったバッグをゲット♪』『ネイルサロンに行ってきました~オシャレ充実♪』こんなちょっとしたつぶやきや日記が全部ウソ!
書いた後で自己嫌悪に陥るのがパターン化しているという人は要注意。
ネット上とリアルな自分の生活のギャップにストレスを抱えている人がたくさん居ます。
疲れるけれど、群れていたい矛盾
いかがでしたか?
『あー、あるある。』と自分に当てはまるものがありませんでしたか?
SNSは人との関わり合いですから、少しくらいのストレスは仕方がないとも言えます。
しかし、日常生活に支障が出るようなストレスを抱えてまで無理してやるようなものでもありません。
今更やめるのが怖い、何故か他人の反応が気になってしまうという不安を抱えてしまうことが多いSNS疲れ。
しかし、あなたがSNSを突然辞めたとしても、責める人は誰も居ないはずです。
突然音信不通になって心配する人はいるかもしれません。
心配をしてくれる人達はあなたを大切な友人だと思ってくれている人ですから、「ちょっと更新が疲れちゃって。」と説明をすればきっと察してくれるはずです。
もしあなたがSNSを辞めたことで、責めたり馬鹿にしたり、リアルな生活で仲間外れにされたりということがあったならば、その人はあなたにとってそれまでの関係だったに過ぎません。
悲しい事ですが、割り切ってしまうことが大切です。
ちょっとしたストレスを感じても、みんなと繋がれて楽しい!という気持ちが勝っているならば問題はありません。
しかし、体調が悪くなったり、日常生活が困難になるくらいに不満や悩みを抱えてしまっているようならば、思い切ってログインをしない時間を作り、SNSへの執着を一度断ち切ってしまうのが良いでしょう。
ここまで読んで、「そうなんだ、気にし過ぎなんだ。」「疲れたならば辞めればいいんだ。」と頭では分かっているという人もたくさんいらっしゃると思います。
自分の性格的に、他人の反応を気にし過ぎてしまう、嫌われない様にと無理してしまう。
疲れるとわかっているけれど、仲間に入りたい、楽しみを共有したい、みんなと繋がりたい。
このように、SNSをやるやらないということ以前に、コミュニケーションが上手くとれない自分に思い悩んでいる人が増えている様に思います。
別に意地悪をされているわけでもないのに、そもそも人と関わること自体がストレスになってしまうんです。
難しい問題ですね。
SNSは楽しむためのもの、日常生活の休息の場にしていきたいものです。
ネット上でのマナーを守る事は大前提ですが、基本的に自分の好きな事を書いて楽しむもの。
所謂自己満足で構わないのです。
自分は自分、他人は他人です。
あまり広い人付き合いが疲れるという人は、リアル生活の友人、職場の人、趣味の友達など小規模に絞ってSNSを利用すると良いかもしれませんね。
Photo by ►►haley